【解剖】数学Ⅱ「対数関数」を解く際の頭の使い方

高校数学


数学Ⅱの中の単元、対数函数。

指数函数(\(f(x)=2^x\)など)は底を何回掛けるかという函数なので直観的にも分かりやすいですが、それと対を為す対数函数は、\(\log\)が概念的にも分かりにくいし公式も多いしで大変です。

複雑な問題になってくると何をどう考えたら良いか訳が分からなくなってしまいます。

そこで今回は、対数函数の考え方のコツをご紹介。

問題集の解答にはなかなか書かれていない、「指数函数に出会ったときにどのように頭を使うか」という点にフォーカスしてお伝えします。

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指数函数は「会話」である

指数函数を攻略するためには、まずは\(\log\)に慣れることが不可欠です。

しかしこれがクセ者で、分かりにくい。

教科書には次のような定義が載っているのではないでしょうか。

どんな正の数\(M\)に対しても、\(M=a^p~(a>0,~a\neq1)\)となる実数\(p\)がただ1つ定まる。この\(p\)を\(\log_a M\)で表し、\(a\)を底とする\(M\)の対数という。

『高等学校 数学Ⅱ』(数研出版)より引用

恐らく、これだけですんなり理解できる人はそう多くないでしょう。

\(2^x=3\)を満たす\(x\)を\(\log_2 3\)と表す、\(10^x=100\)を満たす\(x\)を\(\log_{10} 100(=2)\)と表すということですね。

このように例を考えるうちに\(\log\)に慣れていくのですが、それでも例えば\(\log_2 x=4\)を解けと言われたらぎょっとする人もいると思います。

冷静に考えれば多くの人は解けると思いますが、このくらいの計算はすぐにできないと後々苦労します。

そのあたりの話はこちらをどうぞ。

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このようにややこしい対数を身につけるにはコツがあります。

それは、函数を「問いかけ」、そして方程式を「会話」と考えることです。

\(\log_2 3\)というのは、「2を何乗したら3になりますか?」と聞かれているのと同じ、\(\log_{10} 100\)は「10を何乗したら100になりますか?」と聞かれているのと同じということです。

「10を何乗したら100になるか?」、これは2ですね。ですから\(\log_{10} 100=2\)が成り立ちます。

「2を何乗したら3になるか?」、これは日常生活で目にする数では表せない(2を1乗すると2、2乗すれば4で3を超えてしまうから答えは1や2ではない)ですがこのような数も存在するのでそれを\(\log_2 3\)と書いて表しましょう、ということなのですね。

対数函数は「問いかけ」です。

そして、\(\log_2 x=4\)といった方程式は「会話」です。

これは「2を何乗したらxになりますか?」「4乗です。」という会話なわけです。つまり\(x=2^4=16\)ですね。

そう考えると、\(\log_x 9=2\)といった問題も簡単でしょう。

「xを何乗したら9になりますか?」「2乗です。」と言っているわけですから、
\[x^2 = 9 \\ x = \pm3 \\ x>0,~x\neq1(底条件)よりx=3\]
と簡単に解けます。

\(\log\)は「問いかけ」と「会話」で考える、これが対数函数を攻略する上での基礎となるコツです。

\(\log\)は「問いかけ」と「会話」

対数函数はグラフをイメージして解け

対数函数の問題を解く上で、しばしば大小関係(不等式)が大切になってきます。

例えば不等式\(\log_{\frac{1}{2}} (x-2)>-3\)を考えてみましょう。

解答例は次の通りです。

真数条件から\(x-2>0\)、即ち\(x>2\)が成り立つ。
\begin{align*}
\log_{\frac{1}{2}} (x-2) &> -3 \\
\log_{\frac{1}{2}} (x-2) &> -3\log_{\frac{1}{2}} \frac{1}{2} \\
\log_{\frac{1}{2}} (x-2) &> \log_{\frac{1}{2}} \Big(\frac{1}{2}\Big)^{-3} \\
\log_{\frac{1}{2}} (x-2) &> \log_{\frac{1}{2}} 8
\end{align*}
底\(\displaystyle \frac{1}{2}\)は1より小さいから
\begin{align*}
x-2 &< 8 \\
x &< 10
\end{align*}
を得る。\(x>2\)との共通範囲を取って\(2<x<10\)が解である。

太字の底の議論に着目しましょう。

\(\log\)の大小関係と真数の大小関係が一致するかどうかは、底が1より大きいか小さいかで変わります。

ここが、対数函数の最大の落とし穴と言っても良いのではないでしょうか。

この議論が必要であるということは分かっていてもつい忘れてしまう人もいれば、そもそもなぜこんなことを考えなければならないのかも理解できないという人まで様々です。

このポイントを攻略するコツが、グラフをイメージすることです。

対数函数\(f(x)=\log_a x\)のグラフはこの通りです。

対数函数(底>1) 対数函数(0<底<1)

グラフを見れば明らかなように、\(a>1\)の場合は、\(x\)が大きくなると(右に行くと)\(\log_a x\)の値も大きくなります(上に行きます)。

一方\(a<1\)の場合は、\(\log_a x\)の値が大きくなるのは\(x\)が0に近づいていく時です。

ですから底が1より小さい時には\(\log\)の大小と真数の大小が入れ替わるのですね。

 

ここで伝えたいのは、この数学的な説明ではありません。

対数函数の大小を考えるときは、常にグラフを頭において進めなければならないということです。

「底が1より大きいか小さいかで分けて考える」というのを表面的に覚えているだけでは対数函数は解けるようになりません。

なぜその議論が必要になるのか、その裏にはグラフがあります。

ここまで理解して問題を解く必要がありますし、\(\log\)が出てきたらグラフをイメージする癖をつけておくと、そこから解法を思いつける問題もあります。

対数函数はグラフが命

公式はどうやって覚える?

最後に、公式について触れておきましょう。

\[\log_a MN=\log_a M + \log_a N \\ \log_a \frac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\]など、\(\log\)には様々な公式があります。

これらはどうやって覚えたら良いのでしょう。

それは、計算問題をたくさん解くことです。

対数函数に限らず、公式というのは使っていく中でしか身につきません

上で書いたような一般的な公式の字面だけ見て覚えても、それはほとんど役に立たないと言って良いでしょう。

同じ「覚える」でも、英単語や古文単語を「覚える」のとは違った考えを持たなければなりません。

公式を覚える際には、手を動かすことが必要不可欠です。

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まとめ

以上、対数函数を考える際の頭の使い方について解説してきました。

対数は慣れるまでが大変ですが、一度慣れてしまうと非常に簡単な単元です。

実は東大のある先生が、「東大は毎年対数函数の問題を出そうと頑張っているが、未だに良い問題ができない」とポロっとおっしゃっていました。

これから対数函数は受験界でブームになるかもしれません。

ここで紹介した方法を使って、ぜひ対数を得意にしていきましょう!

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