【東大の授業】大学の数学は意味不明?!内容を紹介

東大のナカ
大学の数学の授業ってどんな感じ?
東大に入ったらどんな授業を受けるの?
そんな疑問にお答えします!
理系東大生の1年次の数学の内容を少しだけお見せしますよ!

今回は、東大の数学の授業、大学での数学についてお伝えします。

大学の数学というと、めちゃくちゃ論理的で1ミリの隙も無い、みたいなイメージを持ちますよね。

そのあたりのことについてお話ししていこうと思います。

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大学の数学は難しい?

大学の数学は難しい?

まず気になるのは「大学の数学は難しいのか?」ということだと思いますが、結論から言うと、高校の5倍は難しいです。

良く言われるのが、「大学に行くと化学は高校の物理のようになる。物理は数学のようになる。数学は意味不明になる」ということ(笑)。

でもこの「意味不明」という表現は、すごく的を射ていると思います。

習うこと全て、初めは「??」です。でも自分の頭で考えていくうちに、概念が理解できるようになるんですね。

冒頭からちょっとビビらせてしまったかもしれません。

しかし「大学の数学は難しいものなんだ」という頭でいれば、入学後に挫折、絶望しなくて済むと思います。

それに、きちんと勉強すればもちろん理解できます

それに人によっては、高校の数学よりも大学の数学の方が好き、ということもあるくらいです。

かく言う私も、どちらかと言えば大学の数学の方が好きかなといった感じです。

ではここから、大学の数学の内容をちょっとだけお見せします。

東大1年次の数学授業内容

東大1年次の数学授業内容

まず東大では1年次に必修として何を学ぶかという話を少しだけします。

「必修」ってどういうこと?という方は、こちらをお読みいただくと良いかと思います。

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東大前期課程(1・2年次)では、数学の授業が必修になっているのは理系の1年次のみです。

そこでは、分野で言うと「微分積分学」「線型代数学」を学びます。

※数学に詳しい方向けにお話しすると、「集合と位相」「ベクトル解析」といった内容は必修ではありません。

各科目、扱う項目はおおよそ以下のようになります。

  • 微分積分学
    • 極限と連続性
    • テイラーの定理
    • 多変数関数の微分
    • 逆写像定理、陰関数定理
    • リーマン積分
    • 微分積分学の基本定理
    • 広義積分
    • 重積分と変数変換
    • 級数と関数列
  • 線型代数学
    • 連立1次方程式と行列
    • 行列式
    • ベクトル空間と線型写像(像、核、基底等)
    • 固有値・固有ベクトルと対角化
    • 2次曲面の分類

今はさっぱり意味が分からなくても結構です。

でもこうして見ると「微分積分学」は、何となく高校の微積に近い感じがしませんか?

恐らく高校生がとっつきやすいのは「微分積分学」です。

そこで、次の節では「微分積分学」で初めに習う「極限と連続性」の内容を少しだけお見せします。

大学の数学の授業を少しだけ

大学の数学の授業を少しだけ

とはいえ、実はこの単元は新しい概念の連発で、初めから「もうダメだ…」と挫折してしまう人が多いというのも事実(笑)。

ですがこれから微積を厳密に扱っていくにあたって、避けては通れない道なんですね。

ですからここで予習を兼ねて、内容を見ていくことにしましょう。

 

突然ですが、「関数\(f(x)\)が(定義域内の)\(x=a\)で連続である」ことは、どう定義されますか?

恐らく簡単な答えは、「グラフが\(x=a\)でつながっている」でしょう。

では「つながっている」とはどういう意味ですか?

このあたりから苦しくなってきます。

「線は点が集まってできたものだから、その線がつながっているということは、隣り合う点と点がつながっていて…あれ、点がつながるってなんだ?」と混乱してしまいます。

もう少し厳密に、\(\displaystyle \lim_{x \to a} f(x) = f(a)\)が成り立つこと、と答えても、では\(\lim\)はどう定義するのでしょう?

高校では「限りなく近づく」と表現されますが、その「限りなく」とはどれくらいですか?100万分の1?10兆分の1?…

「イチャモンつけるのはいい加減にしてくれ!」と言いたくなりますよね。

こういった概念を誰にもイチャモンをつけられないように組み立てていくのが、大学の数学です。

そのためには抽象的な議論がやむを得ず行われ、それが「数学は意味不明」と言われる所以なのではないかと思います。

では答えを示しましょう。

数学では関数\(f(x)\)が\(x=a\)で連続であることを、以下のように定義します。即ち、
\[\forall \varepsilon > 0, \exists \delta > 0, \\ |x-a| < \delta \Rightarrow |f(x)-f(a)| < \varepsilon\]
が成り立つ。

「???」だと思います。

少し補足します。

上の主張の\(\forall\)は「全ての」、\(\exists\)は「存在する」という意味です。

補足はこれだけ。

これだけを知っていたら、世界中の誰が読んでも誤解なく、イチャモンなく関数の連続が理解できるわけです。

とはいえみなさんはまだ慣れていなくて意味不明でしょうから、上の主張を分かりやすく説明していきます。

日本語で言うと、「どんな正の数\(\varepsilon\)をとってきても、次の性質を満たす正の数\(\delta\)が存在する。その性質とは、『\(|x-a|<\delta\)ならば\(|f(x)-f(a)|<\varepsilon\)が成り立つ』というものである」です。

気持ちとしては、\(\varepsilon\)はものすごく小さい数、例えば10兆分の1などです。

そんな小さい小さい数に対しても、これまた気持ちとしては小さい数\(\delta\)を適切に取ってきてあげれば、\(|x-a|<\delta\)を満たす\(x\)達(気持ちとしては\(a\)にすごく近い)が全て\(|f(x)-f(a)|<\varepsilon\)を満たします、と言っているわけです。

図で見れば、下の通り。

連続関数

まず許される幅\(\varepsilon\)を決められて、それに”対抗”して幅\(\delta\)を持ってくれば\(f(x)\)の値は\(\varepsilon\)の範囲に収まっていますね。

どんな\(\varepsilon\)に対してもこのような\(\delta\)が取れる、これが連続の定義です。

逆に、
\[f(x)=\begin{cases}0 & ,x<0 \\ 1 & ,x\ge 0\end{cases}\]
は直観的には\(x=0\)で不連続です。

実際、\(\varepsilon\)を例えば\(\varepsilon=0.1\)などとしてしまうと、どんな\(\delta>0\)を取ってきても
\[|x-0|<\delta \\ \Rightarrow |f(x)-f(0)|=|f(x)-1|<\varepsilon\]
は成り立ちません。

なぜなら\(x<0\)の範囲では\(|f(x)-1|=1\ge \varepsilon\)となってしまうからです。

このように、一見あの意味不明な主張で連続をきちんと定義できていることが分かります。

ここで注目してほしいのは、定義では「限りなく」とか「小さい」といった曖昧な表現を一切使っていないということです。

これによって厳密に極限を考えることができるようになっています。

数学のすごいところですね。

こういった厳密なカッチリした論理展開にはまる人は、大学の数学を楽しめると思います。

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まとめ

以上、東大の数学の授業、そして大学の数学の内容について解説してきました。

余談ですが、私が大学数学を勉強する上で大切だと思うのは「自分の頭であれこれ考える力」です。

先程グラフを載せて説明しましたが、大学の授業はそこまで親切ではありません。

文章から自分でグラフを描いたり図を描いたりして考えなければならない場面が多くあります。

そのためにも、高校生のみなさんは今のうちから「自分で」あれこれ考える癖をつけておくことが大切だと思います。

大学での勉強を心待ちにして、受験勉強を頑張ってください!

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