【超効率】高校古文の敬語は全部覚えなくて良い!【勉強法】
お読みいただいてありがとうございます、東大大学院1年の吉田です。
センター試験では、古典で満点を取りました。
今回は、「古文の敬語の覚え方」についてお話ししていきます。
敬語は、助動詞と並んで文法の超重要項目です。
ですが、数がたくさんあるし、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」といった区分もややこしいしで、なかなかのくせ者ですよね。
そんな敬語を効率よく学んでいくための戦略を、お伝えしようと思います。
古文敬語の覚え方戦略
ここでご紹介する覚え方は、以下の通りです。
- 尊敬語・謙譲語・丁寧語の「方向」をマスターする
- 紛らわしい語を先に覚える
- 「謙譲の補助動詞6種類」を覚え切る
- あとは、文章の中で覚える
この戦略の狙いは、
- 少ない努力で最大の効果
です。
ぶっちゃけ、敬語の一覧表を全部覚えたところで、一度も文章中で出会うことのないものも出てきます。
それに、「わざわざ勉強するまでもないよね」といった、フィーリングで意味の分かるものもあると思います。
こういった部分にかける努力を少なくして、超効率的な暗記を目指します。
では、それぞれの項目を説明していきますね。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の「方向」をマスターする
「方向」というのは、「誰から誰へ」という敬意の方向です。
これが、敬語の基礎になります。
とはいってもこれは簡単です。
- 尊敬語:話し手→動作をする人
- 謙譲語:話し手→動作をされる人
- 丁寧語:話し手→聞き手、読者
上記の通り。
この辺りは、手元の参考書を見てください。
詳しい説明があると思います。
まずはこれを押さえないと、土台が欠けることになります。
たった3つですから、慌てずしっかり理解してください。
ちなみに、この3種類がどういう順番で使われるかというのも、覚えておくと役立ちます。
謙譲→尊敬→丁寧
です。
例えば、「聞こえさせ給ひはべり」。
聞こえさせ/給ひ/はべり、と謙譲→尊敬→丁寧の順番になっています。
紛らわしい語を先に覚える
ご自分の参考書の、敬語一覧を開いてみてください。
ザっと見ると、紛らわしい語がいくつかあると思います。
- 「思す」と「思しめす」
- 「まかる」と「まゐる」
- 「聞こしめす」と「聞こえさす」
- 「給ふ」(四段活用)と「給ふ」(下二段活用)
などなど。
「思す」と「思しめす」は、どちらも同じ意味だからまだ良いですが、似ていても意味が全然違うものもあります。
そういったものは最低限、覚えておく必要があります。
どれが紛らわしいかというのは人それぞれですから、ぜひ自分で一覧を見て、覚えていってください。
「謙譲の補助動詞6種類」を覚え切る
補助動詞とは、「申し給ふ」の「給ふ」のように、メインの動詞のあとにくっつくサブの動詞です。
敬語では、この補助動詞まで見抜く・見分けることが重要になってきます。
みなさんも、「給ふ」が尊敬か謙譲か、という点で悩んだことはありませんか?
「給ふ」はちょっとややこしい部類に入りますが、大抵の場合、補助動詞は覚えておくことで対処できます。
ですから、謙譲の補助動詞を6つ覚えておくのは、文章を読むうえでとても役立ちます。
その6つとは、
- 給ふ
- 申す
- 奉る
- 聞こゆ
- 聞こえさす
- まゐらす
実は他にもありますが、この6つで大体カバーできます。
少なくとも僕は、文章を読んでいてこれ以外に出会ったことはないです。
ぜひ何度も口に出して、この6つは暗記してください。
あとは、文章の中で覚える
ここまでで、ある程度押さえるべきところは押さえられます。
他にも敬語はたくさんありますが、それは文章を読んでいて出てきたときに覚えれば良いと思います。
例えば、「ご覧ず」なんて、どう考えても「ご覧になる」じゃないですか笑
こういったものまで「覚えよう」と気合を入れて取り組むのは、効率が悪いです。
ですから、文章中で「これは分からなかったな、覚えておこう」というものだけ、覚えるようにするのが良いです。
古文の読解に強くなるには
ここまで、敬語の覚え方を紹介してきました。
もちろん古文は、敬語だけでは攻略できません。
助動詞など、他の文法項目も大切になってきます。
ですがもっと言うと、文法だけ完璧にしても、高得点を取るのは難しいです。
古典(古文だけでなく漢文も)に必要な4つの事柄というのをこちらにまとめたので、興味がある方は合わせてご覧ください。
【必要十分】古典の勉強で外せない4つのポイント
(お悩み受験生)古文の敬語って、どうやって覚えれば良いですか? (お悩み受験生)たくさんありすぎて嫌になってきます… (Studium)敬語は全部覚える必要ありませんよ! (Studium)効率的な勉強法をお伝えします […
4つの項目をネタバレすると、
- 単語
- 文法
- 和歌
- 慣れ
の4つです。
まとめ
以上、古文の敬語の勉強法についてお話ししてきました。
敬語を覚えておくと、読解に安定感が生まれます。
どんなに単語を覚えていても、文章を読むと、必ずと言っていいほど知らない言葉や言い回しが出てきますよね。
ですがそんな文章でも、敬語は知識で対処できます。
「尊敬語が二重に使われているから相当目上の人だな」「申すって書かれているから、話し相手が偉い人なのか」といったことが読み取れるようになるわけです。
よく「敬語で主語が判断できる」なんて言われたりしますが、これはかなりレベルの高い話だと思います。
でもそこまではいかなくても、上で述べたようなことが読み取れたら、かなり有利だと思いませんか?
ぜひ頑張ってください!
応援しています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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