【本質】現代文記述問題の鍵は「核」と「伝え方」です

お読みいただいてありがとうございます、東大大学院1年の吉田です。
東大2次試験では、国語で46/80点を取りました。
今回は、現代文の記述問題の解き方についてお話ししていきます。
記述問題は、必要な要素を過不足なく解答に入れ込むのがけっこう難しいものです。
どんな考え方で解いたら、減点が少ない答案を作れるか、そこにフォーカスしてお伝えしていきます。
想定される質問への答えも書いたので、しばしお付き合いいただければと思います。
現代文記述問題のコツを2つ紹介
結論から言うと、ここで伝えたいコツは
- 解答の「核」を意識せよ
- 友人の顔を思い浮かべて解答せよ
この2つです。
現代文は、問題文の種類が無限にあります。
つまり、解き方がパターン化できないんですね。
数学だったら、「極大と言われたら微分」といったパターンが存在しますが、国語の記述問題にはそれが存在しない。
この点に難しさがあります。
ですので、現代文においては、どんな問題が来ても対処できる「頭の使い方」を学ぶことが大切です。
上の2つのコツはどちらも、その「頭の使い方」に関するものです。
良かったら参考にしてみてください。
記述問題解き方のコツ①:解答の「核」を意識せよ
1つ目のコツは、解答の「核」を意識することです。
「核」というのは、「ズバリ短く答えるならどう答えるか」ということ。
ちょっとピンとこないと思うので、短めの文章で例を挙げます。
僕が物理系の人間なのでパッと思いついた例↓が物理の内容ですが、苦手でも構えないで下さい笑 スミマセン
非常に驚くべきことに、アインシュタインの相対性理論によると、動いている時計は静止している時計よりもゆっくり進む。また、重力が強い地点にある時計は弱い地点にある時計よりもゆっくり進む。
この2つの影響により、地球の周りを回るGPS衛星に搭載された時計は、地球上のものよりも速く進む。
そのため、GPS衛星が持つ時間の情報は、補正して地上に送られなければならない。
問.「GPS衛星が持つ時間の情報は、補正して地上に送られなければならない」とあるが、なぜか。40字以内で答えよ。
実際に解答は作ってみなくて結構です。
今から解説します。
まず、正答例としては
速さや重力の影響により、GPS衛星上の時計は地球上のものよりも速く進むから。(38字)
こんな感じになるかと思います。
そしてここでは、「核」というポイントに焦点を当てて解説していきます。
この場合、核は「GPS衛星上の時計は地球上のものよりも速く進むから」です。
「GPS衛星が動いていて~」や、「地上よりも重力が弱くて~」といった情報は要りません。
ズバリ言った答え、これが解答の核でした。
「ズバリ言う」ということの意味が、何となく分かっていただけたでしょうか。
記述式の問いに答える場合、まずは解答の核を考えます。
そしてこの核は、絶対に書かなければない内容です。
ここを外したら、他の部分がどんなに良く書けていても0点を覚悟しなければなりません。
そして次に、核がつかめたら、そこに付け足す情報を探していきます。
今のままだと解答が短すぎるので、そこに肉付けをしていくわけです。
そのとき、指針になるのは
- なぜ
- どんなふうに
この2つの情報です。
これを拾って核に付け足せば、良い解答になりやすいということです。
今の例だと、核は
GPS衛星上の時計は地球上のものよりも速く進むから
でした。
この文章の場合、肉付けは「なぜ」が良いでしょう。
- なぜ→速さや重力の影響で
です。
これで、解答が出来上がります。
もう一度書いておくと、
速さや重力の影響により、GPS衛星上の時計は地球上のものよりも速く進むから。
こういった感じに仕上がります。
ちなみに、解答の文字数の目安は、指定字数の9割以上です。
それに満たない場合、必要な要素を漏らしていると考えるべきだと思います。
以上をまとめると、
- 解答の核を探す
- 「なぜ」「どんなふうに」という視点で核に肉付けをする
- ※肉付けは指定字数の9割以上
これが1つ目のコツです。
記述問題解き方のコツ②:友人の顔を思い浮かべて解答せよ
とはいえ、「そんなにうまくいくかなあ」と思っている方もいるかと思います。
そこで2つ目のコツです。
それは、友人の顔を思い浮かべて解答すること。
つまり、誰かに理解してもらうつもりで分かりやすく説明するということです。
1つ目のコツをヒントに、解答に必要そうな要素を集めきて文に仕上げても、イマイチ説明力に欠けてしまうものです。
それは、「自分だけ」で考えてしまっているからなんですね。
「相手に伝わる解答か」という視点がものすごく重要です。
それを測るためには、身近な友達を頭の中に思い浮かべて、その人がこの解答で納得するだろうか、と考えるのが効果的なのです。
自分が今読んでいる文章を仲の良い友達が読んで、「ここってどういうこと?」と傍線部について質問してきたことをイメージするんですね。
何となく文章中の単語をそれっぽくつなげて答えるだけでは、恐らく納得してくれませんよね?
また、背景や理由となる事柄に全く触れずに教えるだけでも、疑問は解消しないはずです。
こういったことを考えながら、頭の中に浮かべた彼/彼女が納得してくれるまで、解答を練り直すわけです。
具体的な人を思い浮かべることが、案外重要だったりします。
よくある/あまりない質問
Q. いつも、解答に必要な要素の基準があいまいで良く分かりません
これはどちらかというと理系の人が抱きがちな疑問ではないかと思います。
「この要素が必要かどうか」の判断なんて、結局人による部分が大きいんじゃないの?ということですね。
「1+1=2」のように、ハッキリした正しさを求めているわけです。
ですが、こんな視点で、「この要素は必要なのだろうか?こっちは要らないかな?」なんて考えると、うまくいかないんです。
これは言ってみれば、順序が逆なんです。
「これが必要、あれも必要、…」と集めて解答を作るのではなく、「設問にバッチリ答える解答を作ろう」と考えてできた答えを解体したパーツが、必要な要素なのです。
こうして文に起こすとちょっと複雑に感じますが、伝わるでしょうか?
ですから、大切なのは「設問に100%答える解答を作る」という視点で考えること。
そのためのコツが、核を意識することだったり身近な人を思い浮かべることだったりするというわけです。
まとめ
以上、現代文の記述問題のコツをお話ししてきました。
もう一度まとめておくと、
- 解答の「核」を意識せよ
- 友人の顔を思い浮かべて解答せよ
この2つです。
序盤でも述べましたが、現代文の勉強=問題を解く頭の使い方の練習、です。
ですからこれを読んで「なるほど!」と思った部分があったら、ぜひ今日から実践してみてください。
ちなみに、現代文の読み方、そしてマーク式問題の解き方については以下にまとめました。
興味があれば合わせてどうぞ。

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