【必要十分】古典の勉強で外せない4つのポイント
お読みいただいてありがとうございます、東大大学院1年の吉田です。
今回は、古典(古文と漢文)の勉強のポイントについてお話ししていきます。
古典は苦手な人が特に多い科目だと思います。
読んでいるうちにわけが分からなくなって、とことん嫌になる、といった経験は、おそらく誰にでもあるのではないでしょうか。
学校の授業でも、「覚えること多すぎ」「省略されてる単語なんて自分じゃ分かんないよ」とネガティブな感想を抱きがちです。
そんな古典、いったい何に気を付けて、どこを中心に勉強していけば成績が伸びるのか。
やみくもに文章を読んだり問題を解いているだけでは点数はなかなか上がりません。
今回は、古典の攻略に必須の4つのポイントを解説していきます。
古典(古文・漢文)の勉強のポイント
さっそく結論をお示しします。古典の勉強でものにしなければならない4つの事項とは
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単語
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文法
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和歌
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慣れ
です。
単語というのは、「をかし」の意味や、漢文の「則」の読み方、意味などの知識。
文法は、古文の助動詞の活用・接続・意味、漢文の句形などです。
和歌は古文を読む際に必要になります。
そして最後の最後にカギを握るのが、どれだけの量の古文や漢文に触れていてそれらにどれほど慣れているかということです。
この4つのポイントが、古典で高得点を狙うためには必要十分です。
つまりこれらをマスターしていれば高得点が望めるし、逆にひとつでも欠けていれば、安定して点を取ることは難しくなってきます。
それではここから、これらのポイントについてひとつずつ見ていきましょう。
古典(古文・漢文)のポイントごとの説明
ポイント1.単語
まず早めに取り組むべきなのは単語です。
そして単語を覚えているかいないかというのは、センスではなく単純にどれだけ努力したかということにかかっています。
早いうちから単語をマスターしておくとその後がスムーズです、という話は、こちらに詳しく書きました。
単語を覚えていく際には、ちょっとしたアドバイスがあります。
それは、まずは単語帳の最初に載っている意味だけを覚えることです。
たとえば私の手元にある単語帳には、「見ゆ」に
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見える・思われる
-
見られる・見せる
-
(女性が)結婚する
という意味が載っています。
他にも「かたはらいたし」など、たくさんの意味がある単語がありますね。
これを初めから全て覚えようとすると、失敗します。
途中で苦しくなってくるし、一通り終えられたとしても忘れているものが多くなってしまうのです。
それよりだったら、まず初めの1周は、1番に載っている意味(「見ゆ」の例だと「見える・思われる」)だけを集中的に覚えていった方が効率的です。
比較的楽に進めることができますし、そもそも1番の意味だけを知っていれば問題に対処できることも多いです。
まずは中心的な意味を覚えてしまえば、そこから派生して生まれた他の意味も覚えやすくなるという利点もあります。
ポイント2.文法
言うまでもなく、読解には古典文法が重要です。
しかし多くの人は文法の暗記をないがしろにしてしまいます。
英語を学ぶときは文法を必死に覚えようとするのに、古典となると途端にスイッチが切れてしまうのです。
その理由は、古典が日本語だからということにあると思います。
日本語だから、何となくフィーリングでいけてしまうような気がする。
ですが実際には、そんなに甘くはいかないわけです(汗)。
古文なら
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動詞の活用
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助動詞の活用・接続・意味
-
敬語の種類・意味
-
代表的な助詞の意味
が最低限、必要となります。
漢文では
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再読文字の読み方・意味
-
句形
です。
文法の暗記のコツとしては、声に出すということが挙げられます。
「え・え・う・うる・うれ・えよ」などと何度も何度も繰り返し声に出すことで、自然に頭に入ってくるようになるでしょう。
ポイント3.和歌
古文の最大の難関が、和歌ではないでしょうか。
掛詞や序詞など、現代人の我々が学ばなければならないことはたくさんあります。
それにプラスして、うまいとされる和歌ほど、感情がストレートに詠まれていなくて、ものの描写からそれを読み取らなくてはならないんですね。
和歌は全ての古文に入っているわけでないので、勉強の優先度が低くなりがち。
しかし対策を怠っていると、和歌のある文章が出たときに手も足も出なくなります。
どうしてかというと、和歌を含む文章というのは、たいてい、和歌が感情やストーリーを物語っているからです。
たとえるならミュージカルのようなものです。
ミュージカルの歌を全てカットして話を追ったところで、それはただ場面が進んでいくだけ。感情の起伏や主題というのはほとんど伝わってこないでしょう。
古文もこれと同じで、ミュージカルの歌の代わりに和歌があると考えれば分かりやすいと思います。
和歌の勉強を始めようと思った方は、まずはできるだけ多くの和歌に触れてください。
すると、よく使われる表現、よくそこに詠みこまれる感情、よく見る場面などがだんだんつかめてきます。
そうなってきたら、あとはスムーズに進みます。
掛詞や枕詞といった知識は、そこから覚えていけばいいのです。
ところが多くの人はまずそれらの知識から覚えて、それで和歌を勉強した気になってしまうから、なかなか読み解けるようにならないわけです。
読解の際に重要になるのは、細かい文学的な知識ではなく、そこに詠まれた内容です。
ポイント4.慣れ
単語、文法、和歌の3つが仕上がったらどんな問題でも解けるかというと、そうではありません。
お気づきの方も多いと思いますが、古典というのは省略が多いです。
主語が省略されている、語尾が省略されている、などが原因で、文法的に正しく文章を訳したとしても内容がつかめないことは多々あります。
枕草子、源氏物語あたりはこの省略がとても多く、読解レベルは最難関と言っていいでしょう。
また、接続助詞が「順接」なのか「逆接」なのかなど、文法の知識だけではどうにも対処しづらい状況というのも出てきます。
そういったときに最後に問われるのが、古典への慣れです。
語句の省略は、古典特有のものではありません。
我々も日常会話でしょっちゅう語句を省略していますが、それでも意味が分からなくなることは、あまりありません。
それは、日本語に慣れているからです。
省略されている言葉や意味が曖昧な言葉があっても、それまでの経験から、うまく解釈ができているからです。
世の中には、「主語の判断には敬語に着目せよ」「接続助詞で主語が切り替わる」などさまざまなテクニックがありますが、僕は本質はそこではないという気がしています。
そんなこと、現代語を操るときに考えないでしょう?
「理屈抜きにとにかく慣れる」ということが大事だと僕は思います。
ではいかにして古典に慣れるかという話ですが、これにはまず、音読が手っ取り早いです。
1つの文章につき10回ほど読むことを積み重ねていけば、古典のリズムや表現が自然と体に染みついてきます。
古典も1つの外国語と思って勉強するのがいいでしょう。
まとめ
以上、古典学習で意識しておきたい4つのポイント
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単語
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文法
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和歌
-
慣れ
について解説してきました。
初めにもお話しした通り、この4つは必要にして十分な事項です。
古典の成績を上げたいなと思っているのであれば、4つのうちまず何か1つに対してでもいいから、アクションを起こしてください。
そこから少しずつ道が拓けます。
そうして勉強を楽しんでいるうちに、4つをマスターしていることと思います。
健闘をお祈りしています!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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